ワイド版第一巻。
 じわじわとキャラにエンジンがかかり始め、CHAPTER4「ダビデの小石」からが主人公、平賀・キートン=太一の本領発揮。わたしはCHAPTER5「黒と白の熱砂」ですっかりキートンのファンになりました。人にはそれぞれ宗教があり、歴史があり、大切なものがある。不用意に傷つけてはならないのだということを教えてくれました。この第一巻の一番の見所は、やはりCHAPTER10「狩人の季節」からのジェームズ・ウルフの物語でしょう。彼のセリフにはぐっとくるものが多いです。例えば「剣は十字架と同じ・・・。勝者には神の加護・・・敗者には墓標となる」というセリフ。子どもの頃狩りに行き、自分の撃った弾で傷を負ったウサギに、手当てをすべきだったのか、とどめを刺すべきだったのか、未だにわからない、というセリフも好きです。彼が殺されたためにクレアの待つ宿に行けないのか、或いは無事ではあるが行かないのかは謎ですが、そういう作りもニクくて好きです。この巻の最後の物語となるCHAPTER15「RED MOON」〜CHAPTER16「SILVER MOON」は、重婚を繰り返し妻たちを狂犬病のウイルスで殺害していく男の物語。復讐劇の完結方法にゾッとします。
 今日amazonから届きました☆ 戸田さんの漫画にはネット(御自身のサイトで漫画を載せていらっしゃいます)で出逢ったのですが、生きていく喜びも悲しみも、矛盾までも表現していてとても好きです。ただ、この「生きるススメ」、誰かが表紙を見たらどんなジャンルのマンガを買ったんだ!と誤解されそうなので(笑)、カバーが欲しいです^^;
 初め、ネットで読んだ「花」に惹かれて三冊ある単行本の中からこの本の購入を決めたのですが、新たに「原動力」と「2009年の決断」も気に入りました。「原動力」の、誰かから貰った感動は作品にして返そうという考えには、創作意欲を刺激されました。今書いている小説を、絶対に完成させようと思います。貰いっぱなしには致しません☆(返さなければならない人が何人もいます) そして「2009年の決断」には、・・・もし人がいつ死ぬかわかるような超能力が自分にあったとして、自分が理想の人に出逢い、その人があと数年で死ぬ運命を持った人でも、わたしはきっと、その人を好きなままだろう、と思いました。この物語の主人公のように恋人から病気の告白をされたとしても、多分そのことで別れたいとは思わない。その時になってみないとわからないことですが・・・。
 「ラスト・ムービー」も好きです。人生は本当に、一本の映画のよう。生まれて、死んで、繰り返し。
 
 戸田さんのサイト名は「コンプレックス・プール」。URLを出すと悪影響がありそうなので、検索して読んでみてくださいm(^- ^)m
 ファンメールを出したら御返事を頂きました・・・この場を借りてお礼をば。ここには辿りつかれないとは思いますが。お忙しい中ありがとうございました。凄く嬉しかったです。
 手塚治虫の晩年の最高傑作。小学生の頃読んで非常に感銘を受けました。特に僧・ナラダッタの「魚はおまえにたべられるためにつかまったのだ」という言葉に受けた衝撃は、今でも忘れられません。自分は色んな命に生かされているのだと気づいてからは、どんなに急いでいても食事の時の「いただきます」「ごちそうさま」だけは欠かさなくなりました。誰か一人でも欠けたら自分の生活は成り立たない、同じようにわたしも誰かの役に立ちたいのですが・・・、「ありがとう」と言われた瞬間に自分の方が救われてしまうので(苦笑)、なかなか難しいです。
 手塚治虫が自分なりに描いたブッダは、悟りきった聖者というよりは、生身の人間として描かれています。悩みもし、運命を恨みもする。普通の人と同様、現実の中でもがき苦しみ、しかし真理を見出そうとする。その姿がとても印象的です。登場人物の心理描写も巧みで、ストーリー展開のテンポの良さも他の手塚作品と全く遜色がありません。
 素晴らしい漫画なので是非全巻読んでみてください☆ リータちゃんが大好きです^^
 愛する人を殺すことでしか闇から救い出せない悲しみ。無力である悲しみ。誰かと繋がりたくても軋んでしまう、孤独。世に幾多の純愛あれど、このエイドリアンとローレンスの物語は外すことが出来ないと思います。愛する人を殺す。愛する人に殺される。響くオルゴールの音色。このオルゴールまでもが、エイドリアンを狂わせるメリーゴーラウンドの形。愛する人へ出来ることが、「殺す」「殺される」しかなかった二人の結末。
 ラストシーンでこの作品のタイトルが「少年残像」である意味がわかります。
 悲しく激しい恋物語を読みたいという方は是非☆ 構想は約十年前からあり、その時は何と一日で描き上げたそうです。併録の短編「デビル・インサイド」「WHEN A HEART BEATS」もホラー、ミステリー、コメディの要素を備えていて楽しいです。これも古い漫画ですが、描いた当時作者の由貴さんは洋楽・洋画命だったそうで、セリフもコマ割りも軽快!
 墓地にオープンしたフランス料理店の物語。客が食事をしている時、窓からお墓が見える! 破天荒なオーナーと、彼女の行動に振り回されるスタッフたちが面白い。出てくるフランス料理はどれも美味しそう。
 オーナーは経営の邪魔をする。
 全てのトラブルの原因はオーナーにある。
 主人公の伊賀くん以外、スタッフは全員シロート。(元銀行員だったり元牛丼屋の店長だったり元美容師だったり)
 シェフの小澤さんのフランス料理は超絶品、しかしこの小澤シェフ、彼が居るだけでなぜか店が潰れていくという伝説のシェフ。そして今回の店の名前は何と、「ロワン ディシー(この世の果て)」・・・。負けるな小澤シェフ!
 なお、このレストランの屋根裏には幽霊が住んでいます(4巻でいなくなります)。オーナーの本名が「仮名子」で、彼女のペンネームが「真名」なのもご愛嬌。
 面白いので全巻読んでみてください^ー^
 神秘的な梅の谷で織り成される、切なく激しい恋物語。仏師・一真が千年の梅の木で仏を彫れば、その木の化身である阿古夜は死んでしまう。「恋」は「乞い」。引き裂かれた魂の片割れを求める強い想い。長い年月を経て、伝説の芝居「紅天女」の幕が再び開く。
 これまでのあらすじを知らない方にも楽しめると思います。まるで自分が本当に目の前でその芝居を観ているかのような感覚にとらわれる、それがこの漫画の魅力の一つ。この巻までの間に登場人物たちは様々な芝居を演じ、そのどれもが本当に素晴らしい。中でもわたしが特に好きなのは、文庫版15巻〜17巻の「二人の王女」、そしてこの巻の月影先生による「紅天女」。未完ながらも、漫画史に残る不朽の名作です。
 しかし・・・コミック版で最新刊(42巻)が出ましたが、20年以上前の漫画であるにも関わらず登場人物たちがごく普通にケータイを持っているのには苦笑。果たしてこの漫画は完結するのか!? その辺も気になるところです。
 吸血姫(き)の夕維ちゃんに命を救われたことで自身も吸血姫となってしまった冴堂くんが、抑えがたい恋心に突き動かされて彼女を追いかけていくお話。
 全巻持っていますが、個人的には3巻がお薦め。中学生の頃でしょうか、よく行く書店に3巻だけが置いてあって、立ち読みをして、とても気に入って。それが出逢いでした。
 ピアノの音色で愛を紡ぐ、誰かの為に弾くピアノ、その考えに非常に影響を受けました。やってみると、ただ弾いているピアノと誰かを想って弾くピアノでは全然音が違ってきます。わたしはRaphaelの華月くんや色んな事件の被害者、そして身近で亡くなった方へ向けて弾くことが多いです。イトコが妊娠していた時はおなかの赤ちゃんに向けて弾いたりもしました。
 ホラーテイストの漫画ですが美しいので是非^^  ヒロインの夕維ちゃんも可愛いです。
 「なまえのないかいぶつ」ヨハン・リーベルトと、彼を追う日本人脳外科医、Dr.テンマの物語。ずば抜けて美しく、ずば抜けて頭が良く、誰もを惹きつけるカリスマの持ち主、ヨハン。しかしこの金髪の青年には、名前がない。残すべき過去すら、存在しない。世界が滅ぶも救われるも、彼の意志ひとつ。彼はそっと指でその意志を指し示す。まるで、蟻の行列をいじくるように。
 浦沢直樹氏による戦慄のミステリー。

 アニメ版も絶好調ということで、レビューを書かせて頂きました。愛すべき闘うおじいちゃん、Dr.ライヒワインが大好きです。
 ヨハンは無垢ゆえに恐ろしく、しかしとても悲しい。ヨハンの妹・ニナは初め彼を「絶対悪」と評していますが、物語が進むにつれてそうでないことがわかってきます。最終巻・18巻に残る謎はアニメ版では明かされるのでしょうか。
 「ANOTHER MONSTER もうひとつのMONSTER」ではもう一人の怪物の存在も明らかになります。
 ご存知、アニメ界の金字塔「風の谷のナウシカ」の原作漫画。アニメしか観てない、という方は美味しいケーキを3分の1しか食べていないような状態ですので原作も是非。宮崎作品の原点であり、後々の作品にも通ずるところが多々あるので、「あっこのセリフ、ハウルが言ってるのとそっくり!」等と発見できて楽しいですよ^^ アニメでは蟲使いについて全く触れられていませんが(チラッと出てくるだけですね)彼らの背負う悲しみ、巨神兵の創造れた(うまれた)理由も明らかになります。オーマ(ナウシカがつけた巨神兵の名前)の最期があんまりにも優しくて悲しくて、いまだに読み返すと涙が溢れそうになります。
 難しい話や仲間が死ぬ話は嫌、という方にはお勧めしませんが(テトもユパ様も死んでしまいますので)、大丈夫な方には読んで頂きたいです。全巻読み終える頃には、他人に対しても自分に対してもちょっと優しくなっているはず。今生きていることの意味、自分もいつか必ず死んでいくことの意味を考えさせてくれる作品です。
 少年期に誰もが経験した、純粋に相手を想う気持ちを描いた漫画。
 物語を動かしていくのは、子どもと大人のはざま、ちょうど思春期の少年たち。ついこの間まで子どもそのもので、自己にのみ向かっていた愛が、親や友人など他者へ向けられていく様子や、少年たちが大人になっていく過程でそれぞれの現実と直面し、苦しみながらも脱皮していく様子が優しく描き出されています。繊細な絵で、まるでどこか外国の短編映画を観ているような気持ちにさせてくれます。
 初めて読んだのは四年前ですが(Raphaelの華月が大好きだったということで、彼の死後すぐこの作品を手に取ったのです)、いまだに何か壁にぶつかった時に読み返しています。実は後日談も存在するそうで、そちらもいつか読みたいです。オスカーが好き^^
 美形な天使・悪魔が好きな方へお勧めの漫画。少女漫画であって少女漫画ではない(戦闘シーンや衝撃的な展開が多い)ので男性ファンも多いようです。独特の世界観があり、セリフも多めなので、新世紀エヴァンゲリオンやファイブスター物語などの作品の展開についていける方は特にはまると思います(といっても天使禁猟区にロボットは出てきませんが。主に天使と悪魔の戦いです)。言葉使いの誤りが少々目立つ漫画ですが、その辺は見て見ぬふりを。個性的なキャラクターばかりなので、あなたのお気に入りがきっといるはず^^ 
 わたしの一番のお気に入りはミカちゃんです(注:ミカエル)。人の家に降ってきたりバズーカで壁をぶち抜き、「なんだぁ?脆いなぁお前んちの壁はよぉ」(細部間違っていたらすみません)。コンプレックスの塊の割に、気風がいいところが好きです。
 少しシュミレーションしてみましょう。
 あなたは最愛の恋人を病気で亡くし、自身も後を追うようにこの世を去りました。ところが死の世界で、あなたは彼女に逢うことは出来ませんでした。既に彼女は別の人間に生まれ変わってしまっていたからです。19年という年月が経ち、あなたは下弦の月、ラストクオーターの奇跡により現世に蘇ります。初めは、ただ彼女に逢えるだけで良かった。違う人間になっても、彼女は変わらずあなたを愛してくれた。ところがあなたは、彼女が現世で幸せではないことに気づくのです。
 死の世界に戻らなければならないタイムリミットが迫っています。
 あなたなら、どうしますか。
 彼女を連れていきますか?
 

 アダムは、美月を連れていかなかった。正確には、連れていこうとしたけれど、連れていかなかった。今の彼女を愛している人たちの存在に気づいたから。前世の記憶を取り戻して泣く美月に、アダムはこう言います。
 「さよならミヅキ 愛してる」
 そしてそっと、彼女を呪縛から解き放った。もう二度と逢えないかもしれないと知っていながら。
 
 この漫画すごく好きなんです。相手を自分から解放するのも愛の一つの形と言えるでしょう。今年の秋に映画が公開されたので、DVDやビデオのレンタル開始が待ち遠しいです(キャストも豪華ですし)。りぼんコミックスですが大人の心をも打つ作品ではと思います。一度読んだ後、上のシュミレーションのように、アダムの視点で読み直すのもお勧め。
 切ない話が好き、という方に^−^

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