CHANELのオートクチュールのデザインからショーまでの過程を追うドキュメンタリー。
2005年フランス作品。
〈第1話「カール・ラガーフェルド始動」のあらすじ〉
カール・ラガーフェルドのデザインをもとに布を縫い裁つお針子たちの仕事がクローズアップされています。
まずは前シーズンの納品を終えなければなりませんが、細かい刺繍を施した服を作り上げる作業がうまくいかず、けれど刻一刻と納期は迫ってくるので、お針子の一人がパニックになります。
お針子がアトリエ主任マルティーヌに「自殺したい」「このまま納品する?」と泣きそうな顔で言うシーンでは、仕事で焦っている時の我が身を見ているようで一緒に泣きたくなりました。
自殺したら周りの人たちに「どうして力になってあげられなかったんだろう」と一生残る心の傷を負わせることになるし、自殺したとしてもそれで仕事が帳消しになるわけじゃないから後に残される同僚が自分より大変な思いをするだけだし、かといって不完全な出来のたま納品したらお客様にも職場全体にも迷惑なのだけれど、誰だって逃げたくなる時はありますよね…。
マルティーヌはそんなお針子を責めることなく冷静且つ的確なアドバイスをして、そのアドバイスのおかげでお針子の気持ちが切り替わり、必死で服を仕上げ、無事に納品完了!
わたしの職場にもマルティーヌのような上司が欲しいです!
もう、これだけ観ているだけでもハラハラしたのに、今度はデザイン画を描いているはずのカールと連絡が取れず、スタジオ・ディレクターのヴィルジニーがやきもきします。
何度電話をかけても繋がりません。
「誰かと電話しているのか…受話器を外しているのかも」と焦るヴィルジニー。
デザイン画が届かないと、その後の全てのスケジュールが遅れてしまいます!
そうめん流しにたとえるなら(CHANELの仕事をそうめん流しにたとえるなよ、とお叱りの言葉をいただきそうですが、これ以上しっくりくるたとえが他に見つかりません)、一番上にいるカールからそうめん(デザイン画)が流れて来ないのだから、真ん中にいる人も、その下にいる人たちもそうめん(デザイン画)をすくえません。
かといって納期まで延びるわけではないでしょうから、そうめん(デザイン画)が一番上から流れてくるのが遅れれば遅れるほど、下の人たちはギリギリのスケジュールで仕事をすることになります!
なのに、ヴィルジニーがどんなに電話をかけ続けても、電話機のボタンを押すカチカチという音が虚しく響くばかり。
カチカチカチカチ。繋がらない。
カチカチカチカチ。繋がらない。
カチカチカチカチ。もう一度…。
カチカチカチカチ。やっぱり繋がらない。
やっとカールと電話が繋がり、デザイン画と共にカールが到着すると、カールは「電話で邪魔されるのは我慢ならない」と言い出しました。
やっぱり受話器外してましたよね!?
クリエイティブな仕事なのだし、集中したいのは分かるのですが、現場の人たちの気持ちを考えると、せめて進捗状況だけでも教えてくれたら良いのに…。
ともあれ、電話の件で文句を言う暇も、勇気も、誰にもありません。
デザイン画が届いて一安心したのも束の間、みんな急いで作業に取り掛からないといけません。
スーツのアトリエ主任ジャクリーヌが、カールのデザイン画とそこに書かれたコメントを読み解き、仮縫いに向けた準備を始めます。
デザイン画はとても素敵で、きっとカールがいつも通りアイシャドウなどを使って彩色したのだろうなと思わせる色使い。
〈第2話「靴職人マサロの苦悩」のあらすじ〉
前日に「靴を少し短くして欲しい」と言われたから短く削ったのに、今日は「靴を長くして欲しい」と言われてしまった靴職人マサロさんが登場。
50年来、CHANELと自社を往復しているそうなので、こういうことには慣れっこのようです。
直して、また直して、またまた直して…。
「CHANELはいつもこうさ」と笑うマサロさんがまた直すと、とても素敵な靴が仕上がりました。
そうこうしている間に、第1話で出来上がったカールのデザインに、生地が割り当てられていきます。
クロムハーツの指輪だらけの指で生地の感触を確かめるカール。
ほつれやすい生地を使うよう指示され、イライラするお針子たちに追い打ちをかけるかのように、12日間かけて仕上げたドレスがボツになり、同じデザインのドレスを違う生地で作るよう指示が出ました。
お針子のロランスは「最初からやり直し」と呟いた後、しばらく黙って堪えて、「色のニュアンスが綺麗だったのに…。でも、変更は正しいと信じなきゃね」と気持ちを切り替えます。
主任であるマルティーヌがロランスを手伝います。
ところが、また変更発生!
溜息をつくマルティーヌ。
マルティーヌもショックですよね。
中間管理職は辛いよ…。
〈第3話「憧れのブライダル・ガウン」のあらすじ〉
カールに「変わった人」と呼ばれるガロン職人のマダム・プージューが登場。
「明日は雨なんだから農作業を先にさせてもらうよ! CHANELよりそっちが優先!」と笑うマダム・プージュー。
良い意味で、今まで登場してきた職人たちとは違うタイプですね。
生地に飾りをつけていくマダムの職人技は残念ながらこの時点で継承者が居ないそうです。
研修に来る人がいても続かないのだそうです。
勿体ない…。
アトリエのお針子たちはというと、作業継続中。
お針子の間には様々なジンクスがあり、ハサミを落とすと死人が出るそうですが、なんとマルティーヌがハサミを落としそうになってピンチに!
ハラハラしましたが、「タラララッタラ〜♫」という軽やかな効果音と共に、マルティーヌはハサミをナイスキャッチ!
いや〜良かった!
マルティーヌに何かあったら大変ですから。
お針子たちはマルティーヌの差し入れのお菓子をつまんでニコニコ。
さすがマルティーヌ、素敵な気配り!
しかもお菓子が色とりどりで可愛いし。
ドレスの出来が良かったのでインスピレーションを刺激されたカールがマルティーヌに追加のデザインを渡します。
「美しいものを作った君が悪い」と。
さりげなく褒めているけれど作業が大変そう!
頑張れマルティーヌ&お針子たち!
(第4話~第5話のレビューはこちら→http://20756.diarynote.jp/201810182341562456/)
2005年フランス作品。
〈第1話「カール・ラガーフェルド始動」のあらすじ〉
カール・ラガーフェルドのデザインをもとに布を縫い裁つお針子たちの仕事がクローズアップされています。
まずは前シーズンの納品を終えなければなりませんが、細かい刺繍を施した服を作り上げる作業がうまくいかず、けれど刻一刻と納期は迫ってくるので、お針子の一人がパニックになります。
お針子がアトリエ主任マルティーヌに「自殺したい」「このまま納品する?」と泣きそうな顔で言うシーンでは、仕事で焦っている時の我が身を見ているようで一緒に泣きたくなりました。
自殺したら周りの人たちに「どうして力になってあげられなかったんだろう」と一生残る心の傷を負わせることになるし、自殺したとしてもそれで仕事が帳消しになるわけじゃないから後に残される同僚が自分より大変な思いをするだけだし、かといって不完全な出来のたま納品したらお客様にも職場全体にも迷惑なのだけれど、誰だって逃げたくなる時はありますよね…。
マルティーヌはそんなお針子を責めることなく冷静且つ的確なアドバイスをして、そのアドバイスのおかげでお針子の気持ちが切り替わり、必死で服を仕上げ、無事に納品完了!
わたしの職場にもマルティーヌのような上司が欲しいです!
もう、これだけ観ているだけでもハラハラしたのに、今度はデザイン画を描いているはずのカールと連絡が取れず、スタジオ・ディレクターのヴィルジニーがやきもきします。
何度電話をかけても繋がりません。
「誰かと電話しているのか…受話器を外しているのかも」と焦るヴィルジニー。
デザイン画が届かないと、その後の全てのスケジュールが遅れてしまいます!
そうめん流しにたとえるなら(CHANELの仕事をそうめん流しにたとえるなよ、とお叱りの言葉をいただきそうですが、これ以上しっくりくるたとえが他に見つかりません)、一番上にいるカールからそうめん(デザイン画)が流れて来ないのだから、真ん中にいる人も、その下にいる人たちもそうめん(デザイン画)をすくえません。
かといって納期まで延びるわけではないでしょうから、そうめん(デザイン画)が一番上から流れてくるのが遅れれば遅れるほど、下の人たちはギリギリのスケジュールで仕事をすることになります!
なのに、ヴィルジニーがどんなに電話をかけ続けても、電話機のボタンを押すカチカチという音が虚しく響くばかり。
カチカチカチカチ。繋がらない。
カチカチカチカチ。繋がらない。
カチカチカチカチ。もう一度…。
カチカチカチカチ。やっぱり繋がらない。
やっとカールと電話が繋がり、デザイン画と共にカールが到着すると、カールは「電話で邪魔されるのは我慢ならない」と言い出しました。
やっぱり受話器外してましたよね!?
クリエイティブな仕事なのだし、集中したいのは分かるのですが、現場の人たちの気持ちを考えると、せめて進捗状況だけでも教えてくれたら良いのに…。
ともあれ、電話の件で文句を言う暇も、勇気も、誰にもありません。
デザイン画が届いて一安心したのも束の間、みんな急いで作業に取り掛からないといけません。
スーツのアトリエ主任ジャクリーヌが、カールのデザイン画とそこに書かれたコメントを読み解き、仮縫いに向けた準備を始めます。
デザイン画はとても素敵で、きっとカールがいつも通りアイシャドウなどを使って彩色したのだろうなと思わせる色使い。
〈第2話「靴職人マサロの苦悩」のあらすじ〉
前日に「靴を少し短くして欲しい」と言われたから短く削ったのに、今日は「靴を長くして欲しい」と言われてしまった靴職人マサロさんが登場。
50年来、CHANELと自社を往復しているそうなので、こういうことには慣れっこのようです。
直して、また直して、またまた直して…。
「CHANELはいつもこうさ」と笑うマサロさんがまた直すと、とても素敵な靴が仕上がりました。
そうこうしている間に、第1話で出来上がったカールのデザインに、生地が割り当てられていきます。
クロムハーツの指輪だらけの指で生地の感触を確かめるカール。
ほつれやすい生地を使うよう指示され、イライラするお針子たちに追い打ちをかけるかのように、12日間かけて仕上げたドレスがボツになり、同じデザインのドレスを違う生地で作るよう指示が出ました。
お針子のロランスは「最初からやり直し」と呟いた後、しばらく黙って堪えて、「色のニュアンスが綺麗だったのに…。でも、変更は正しいと信じなきゃね」と気持ちを切り替えます。
主任であるマルティーヌがロランスを手伝います。
ところが、また変更発生!
溜息をつくマルティーヌ。
マルティーヌもショックですよね。
中間管理職は辛いよ…。
〈第3話「憧れのブライダル・ガウン」のあらすじ〉
カールに「変わった人」と呼ばれるガロン職人のマダム・プージューが登場。
「明日は雨なんだから農作業を先にさせてもらうよ! CHANELよりそっちが優先!」と笑うマダム・プージュー。
良い意味で、今まで登場してきた職人たちとは違うタイプですね。
生地に飾りをつけていくマダムの職人技は残念ながらこの時点で継承者が居ないそうです。
研修に来る人がいても続かないのだそうです。
勿体ない…。
アトリエのお針子たちはというと、作業継続中。
お針子の間には様々なジンクスがあり、ハサミを落とすと死人が出るそうですが、なんとマルティーヌがハサミを落としそうになってピンチに!
ハラハラしましたが、「タラララッタラ〜♫」という軽やかな効果音と共に、マルティーヌはハサミをナイスキャッチ!
いや〜良かった!
マルティーヌに何かあったら大変ですから。
お針子たちはマルティーヌの差し入れのお菓子をつまんでニコニコ。
さすがマルティーヌ、素敵な気配り!
しかもお菓子が色とりどりで可愛いし。
ドレスの出来が良かったのでインスピレーションを刺激されたカールがマルティーヌに追加のデザインを渡します。
「美しいものを作った君が悪い」と。
さりげなく褒めているけれど作業が大変そう!
頑張れマルティーヌ&お針子たち!
(第4話~第5話のレビューはこちら→http://20756.diarynote.jp/201810182341562456/)
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