ショックです。

85歳という年齢からいって、いつ亡くなってもおかしくなかったとは言え、ショックです。

メディアを通して知る限り、ここ数年さすがに老け込んできてはいましたが、精力的に活動を続けているので、わたしは「長生きしてこれからも美を生み出し続けて欲しいなあ」と思っていたので、ショックです。

最近体調を崩している、と知り、心配していたのですが…。

わたしはカールのSNSを今日見て、カールが2月19日にお亡くなりになっていたことを知りました。

指という指にクロムハーツの指輪を嵌め、コーラをこよなく愛し、いつもサングラスをかけて白髪を束ねてグローブを着けてハイカラーのシャツを着て黒いスーツで決めるという長年変わらぬファッションスタイルを続け、痩せたモデルを起用し続けたため世間から批判を浴びまくりながらも「太ったモデルは美しくない」と痩せたモデルの起用を貫き続け、シャネルにフェンディにカール・ラガーフェルドにと多くのブランドを手がけてモード界の皇帝と呼ばれ、友人の飼い猫に惚れ込んで自分の猫にして猫専属のお世話係を2名付けたり(愛猫シュペット)、サラサラサラッと美しいスケッチを描いたと思ったら惜しげも無くポイッと投げてしまい、集めに集めた本が自宅で雪崩を起こす、などなど個性的なエピソードが語り尽くせないほど沢山あるカール。

彼のデザインするあらゆる物が美しかったです。

サラサラサラッとまるで魔法のようにスケッチに描き出されるデザインは、優雅でありながらも、決して古臭くなく、常に時代の先を行くような洗練された美しさがありました。

お亡くなりになったのはとても寂しいですが、パリの病院で最期を迎えた、というのが彼らしいです。

こよなくパリを愛していましたものね。

これからは天国をより美しくしていくのでしょう。

天国で天使のお洋服をデザインするかもしれません。

そうだったら素敵だなぁ。

天国にも大好きなiPhoneを持って行けますように。

コーラも。

彼自身はかつて「追悼されるのなんてまっぴらだ。死んだら消えるのが一番さ」と言っていたのですが、ファンの一人としてやはりその死がとても悲しいので、今夜わたしは追悼の意味を込めて、彼が愛したコーラを飲みながら、彼の仕事を描いた映画や、シャネルやフェンディのコレクションの舞台裏を描いた動画を観て過ごしたいと思います。

彼は「葬式で自分の死体を誰かに見られるなんてゾッとするよ」とおっしゃっていたのですが、元気な頃をファンが映像で観る分には許して下さるのではないかと。

なお、同じくコーラ片手に追悼したい方のために、現在HuluとNetflixで配信されているカール関連の動画をわたしのおすすめ順にリストアップします。

●『サイン・シャネル カール・ラガーフェルドのアトリエ』
Huluで配信中。
2005年の作品なので、元気なカールの姿が見られます。
この頃は不死身に見えました。
カールのデザインをもとに、シャネルのアトリエで働くお針子さんたちや外部の職人たちが協力し合いながらオートクチュールを仕立てていく様子を描いたドキュメンタリー。
なんやかんやトラブルが発生して、みんなでやいのやいの言いながら働いていても、みんながカールのセンスを尊敬しているし、カールもまたお針子さんたちや職人たちに敬意を持っているのが伝わってくるドキュメンタリーです。
カール亡き後のシャネルの後継者として指名されたヴィルジニー・ヴィアールもちらっと出てきます。
以前わたしが書いたこの作品の感想はこちら→https://20756.diarynote.jp/201810082211484810/

●『カール・ラガーフェルド スケッチで語る人生』
Huluで配信中。
2012年の作品なので、まだまだ元気なカールの姿が見られます。
カールが自身の人生を振り返るドキュメンタリーです。
彼が喋りながらスケッチを描く映像が延々と映し出されて、特に派手な演出は何も無いので、ファッションに興味が無い方には退屈かもしれませんが、彼の美学、周りの人々に対する彼の観察力の凄さ、そして愛猫シュペットへの愛にも驚かされます。
以前わたしが書いたこの作品の感想はこちら→https://20756.diarynote.jp/201808060024252969/

●『本番まで、あと7日 エピソード5. シャネル: ファッションショー』
Netflixで配信中。
2018年の春夏オートクチュールコレクションの準備をする人々の姿を中心に、ごく近年のカールの姿を見られます。
この頃にはさすがに体が辛そうですが気力は衰えず。
アトリエで働く人たちのファッションも見どころの一つ。
機能的でありながらもお洒落。
『サイン・シャネル カール・ラガーフェルドのアトリエ』に出てきた人たちが登場するので、そちらを先に観てからの方がおすすめです。
コレクション会場が庭園なので、モデルさんたちが花の妖精みたいに見えるし、カールが「仲間に恵まれた」と言って締めくくるのが素敵。

●『フェンディbyカール・ラガーフェルド コレクション前夜』
Huluで配信中。
『サイン・シャネル カール・ラガーフェルドのアトリエ』ほどカールとスタッフとの密な交流はありませんが、ミラノコレクションの裏側で働く人たちの仕事を見ることが出来て目の保養になります。
締切に追われていても、みんな表面上はあくまで優雅なのが、白鳥のよう。

●『ファッションが教えてくれること』
HuluとNetflixで配信中。
VOGUEのアナ・ウィンターとグレイス・コディントンを中心に、VOGUEの2007年9月号が出来上がるまでの様子を描いたドキュメンタリー。
開始5分でチラッとカールが登場します。
アナとカールが笑い合う姿って、今までよく見かけたけれど、もう見られないと思うと寂しいです。

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